三男日記

愛知県蒲郡市出身、今東京におります三男です。日常や社会について思ったことを書いていこうと思います。基本、空論・評論です。自分の勉強も兼ねてやってます。

「痴漢」の被害者は誰か。

最近、JR赤羽駅で、電車内で痴漢をした男性が逃走したものの、足をひっかけられてそのまま捕まる動画が話題となりました。


一般人が足をひっかけるのは罪にならないの??

みたいな話もありました。

 

 

さて、痴漢の話です。

 

 

女性にとっては、痴漢は決して許せない行為だと思いますし、声には出していないけれど痴漢行為を受けたことのある人も実際は沢山いるのかもしれません。


混雑のどさくさに紛れて、痴漢をはたらくことは、本当に許せないことだと思います。被害女性のトラウマにもなってしまうものだとも思います。

 

(痴漢は、本来「相手の意に反して性的行為を行う者、もしくは行為そのもの」を指しますが、わかりやすくするために、痴漢を、電車での痴漢に限定します)

 

痴漢の議論になると、


女性を守らないといけない!

女性の声を聞こう!


という話に必ずなります。

 

 

ですが、

僕は痴漢の議論では、

「男性の視点」が欠けているんじゃないかなと思います。

 


これは、誤解を招きかねない言い方ですけど、あえてハッキリ言えば、

痴漢の被害者は女性だけじゃないということです。

 

 

厳密に言えば、痴漢ではなく、「痴漢」です。もちろん、痴漢という行為の被害者はそれを受けた女性です。

ですけど、痴漢という現象の被害者には、実は男性も含まれていると思っています。

 

 

どういうことか。


痴漢という現象には、痴漢行為のみならず、痴漢冤罪も含まれています。


その意味での「痴漢」では、

男性には痴漢の加害者としての側面はもちろんありますし、

一方で冤罪被害者としての側面ももっているということです。

 


痴漢には冤罪が発生しやすいと思っています。

 

 

2007年に公開された映画「それでもボクはやってない」で取り上げられている通り、

男性は一度痴漢犯として捕まると、

逮捕された時点で会社もクビになり、社会的地位を失ってしまいます。

仮にのちに冤罪が証明されたとしても、

その時点では職も、時には家族も、お金も失ってしまっているわけです。

 

女性に悪意がある場合、つまり男性に罪をなすりつける悪意がある場合は論外として、

女性側に悪意がなくても、間違った男性の手を捕まえて、「痴漢です!」と言ってしまうことはあると思います。

 


その男性が、そう疑われるスキがあるから悪いんだと言ったらそこまでですが、

にしても、その時点でもう逮捕、警察への連行が決定しているようなものです。署まで行ったらもう、最後、否認して徹底抗戦するか、認めて示談するかしかない、と聞いたことがあります。

 


示談したら(やってもいない)痴漢を認めるということになりますし、

徹底抗戦したらその間に何もかも失っています。残るのは無罪という事実だけです。

 

 

捕まったらまさにおしまいです。

 

かつて、「行列のできる法律相談所」で、痴漢に疑われたらどうすればいいか、という問いに対して、弁護士軍団の答えは、

ダッシュで逃げる」でした。

 


理由は、捕まったら終わりだから、ということでした。有効な対策がないそうです。

 

 

以前、埼京線で、線路に降りて走って逃げる男の映像がありましたけど、

実際その男が痴漢をしたかは知りません。

知りませんけど、僕はあれを見てあまり笑えませんでしたし、あの男が犯人だ、逃げるなんて卑劣だ、と決めつける風潮があまり理解できませんでした。

 

 

痴漢冤罪になったとしたら、逃げるしかない(らしい)んです

 

 

痴漢というのは、弱き女性をターゲットにした卑劣な行為であるとは重々承知しています。


けれど、その「痴漢」では男性もある意味で「弱者」であるにもかかわらず、

「痴漢」において男性の弱者性にはあまり目を向けられることはありません。

 

 

女性を守れ!

女性にそんなことするなんて‥‥‥

という女性擁護ばかりが目立ちますけど、

男性だってもっと擁護されるべきです。

擁護までされなくてもいいけど、男性の弱さを考慮はしてほしい。

 

 

無実の可能性もあるんだし、

男性にとっては、痴漢に疑われるということ自体に人生がかかっています。

 

 

痴漢の議論においては、常に女性の視点ばかりが重視されています。

もちろん、僕はその被害の重大性について否定するつもりも、過小評価するつもりもありません。本当に卑劣な犯罪だと思います。


ですが、そうした女性の被害者性に隠れた、 男性の弱者性(被害者性)にも、目を向けるべきだと思っています。

 

 

そもそも、「男性」「女性」で一括りにできる話ではないということは重々承知の上で敢えて二分化していますが、

痴漢においては、男性も守られるべき存在であることに目を向けることが大事だと思います。

 

 

痴漢の話になると、

男性が悪い!

捕まった男は逃げるな!

罪を償え!

と、男性の被害者性には目を向けられず、有無を言わせないような社会からの攻撃が待っているんです。

 

 

それってちょっと卑怯な気がします。

 

 

もっと男性にも目を向けられるべきです。

もっと男性も守られるべきです。

 

 

純化してはいけないと思います。

 

 

そうじゃないと、間違った男女観に社会が陥ってしまうような気がします。


あくまで、男女平等なんですし、女性ばかりが守られるのも違う気がします。

 

 

男女の問題って難しいなと思いました。