統一地方選が終わりました。
僕の知り合いの方も選挙に出ていたので、かなり関心を持っていました。
選挙といえば、、、ということで、自分が問題意識を持っている、利益団体と投票率の話をしたいと思います。
利益団体。
ウィキペディアの定義を借りれば、
特定の集団の利益を図るべく政治活動を行う団体で、目的を実現するために政治に組織的に影響力を及ぼすが、政党とは異なり、政治活動を専門とはせず、政権をとろうとすることはない団体
です。
財界の経団連や、労働組合の連合、日本医師会、獣医師会、農協、、、などがあります。
利益団体は、特定の主張、利益を実現させるために、ある候補や党に肩入れして、資金や人で援助しています。
そういう組織のことを僕はあまり知りませんでしたが、勉強すればするほど、相当に強いということがわかりました。
社会保障の予算も、財政危機なのに、医療費がなかなか削減できないのは、日本医師会が強いからだと聞きました。
診療報酬には手をつけられない代わりに、薬剤師の方は医師に比べて相対的に組織力が弱いため、薬価改定に手をつけ、社会保障の予算を減らそうと財務省は努力しているみたいです。
加計学園の件では、獣医師会などとタッグを組む文科省と、内閣府という構図が浮き彫りになりました。文科省は既存の大学や、獣医師の利益を守ろうとし、内閣府はそこの規制を取っ払い、新規参入を促そうとする。様々な政治家が暗躍していたというニュースも見ました。
そんなこんなを見ると、なんか自分の一票では、政治は動かないような気がしてきます。
だって利益団体が強すぎるんだもん。
だから僕はちょっと投票に行く気が起きないんですよね。
勉強すればするほど、自分の一票じゃ動かない気がしてくる。
利益団体に影響を受ける政治は、
ある種のエリート主義とでもいうのでしょうか。少なくとも一定の分野の政策に関しては、彼らは相当に考え、練った主張をしています。
そういう人たちに政治を任せても、目立った支障はないように思えます。
利益団体に行く末を任せて、本当の民主主義なのか!という批判もありそうですが、僕は、立派な民主主義だと思います。
なぜなら、その人たちの権利の行使は、主権者による正当な主張であり、その人たちが幅を利かせているのは、他の主権者(利益団体以外の人)が投票や主張する行為を放棄したことの結果に過ぎないからです。
しかし、一方でそうした団体の支持だけで政治が動くと、利権を守るための政治になってしまい、ズブズブになるのでドラスティックな改革は望めませんし、政治家は自然とそちら側の方を向いて仕事をすることになってしまいます。
確かに、それは困ります。
政治家の仕事は、自分たちの税金の使い道を決めることですし、無駄に使われたくはないと思います。
一方、そういったエリート主義的な発想の対極にあるのは、投票率が上がる、ということになるのでしょうか。
投票率が上がるということは、利益団体などに属していない、ごく普通の国民が投票に行くということを意味しています。
無党派層が大事だ!という話もありますけど、一般の人の支持をどれだけ得られるか、はやはり鍵になってくる気がします。
しかし、投票率を上げると、例えば小泉内閣の郵政民営化などドラスティックなことができる分、政策が時の感情に動かされてしまうことが多くなるのかもしれません。
トランプ当選、ブレグジットなどが正しい例かはわかりませんが、ある種の例になると思いますし、ヒトラーも大衆の支持を得て政権を獲得し、独裁状態を作り上げたことも、同じことだと言えると思います。
国民が感情に流される、ということを言いましたが、悪い意味はなく、それは当たり前のことだと思っています。
普通、政治家の違いなんてわかりませんし、忙しいからそんなに政治のことを考える余裕もないと思います。
だから、投票に行ったところでその投票が「有効に」働くかといったら、よくわからないわけです。印象がいい人に票が集まってしまったりする。
考え抜いた末の一票と、軽い気持ちの一票の価値が一緒なんですよね。笑
考える気なくしますよね。
(前少し考えていたんですが、キングコングの西野がやってる、文字をお金に換算するレターポットというサービスを応用できるかなぁ、と。選挙でも、なぜこの候補なのか?らみたいな考えや思いを文字にして、その文字数に比例して得票数を得ていく、という仕組みにすると、考えた人の一票と、考えてない人の一票の重みが変わってくる気がしました。)
利益団体などによる一種のエリート主義の政治と、全国民が参加した政治は、トレードオフの側面があるような気がします。
ただ、そうはいっても、やはり全国民が政治に参加することは大事だと思います。自分の社会のことだし。
でも、投票率はなかなか上がらない。身近な市議選、市長選などでも、そんなに高くない。
投票率が上がるために、ポイントとなるのが、投票率を上げたい!とよく言われますけど、
何のために上げるのか、という点が重要な気がしています。
総務省があげたいだけなのか。
マスコミが騒いでいるだけなのか。
僕は、投票率をあげたい、という時の主語は、政治家である気がします。
本当はこんなことをやりたい!と思って政治家になったけど、実際業界団体とか、しがらみが多く、やりたいことができていない。世論の後押しさえあれば‥‥‥と思っている人がいるのではないかなと思っています。
官僚の中にも、そういう人はいる気がします。
なんか、そういう人の声や考えが、身近にあればいいなと思います。
やっぱり、投票の本質って、「ある人を応援したい!」っていう気持ちだと思うので、応援したい!と思えるような本音や話が聞けたらいいなと思います。
選挙って面白いなと思いました。