嵐が活動休止するそうですね。
衝撃のニュースです。
「一度何事にも縛られず、自由な生活がしてみたい」という大野くんの思いが非常に強かったんでしょうか。
そうですよね、仕事に縛られ、自由に外出もできないし、何かあるとすぐマスコミに騒がれる。
僕はそんな経験ありませんが、というか一生ないでしょうが、
自分の一挙手一投足に注目が集まるのは、結構しんどいと思います。
さて、その嵐の会見にて、嵐が活動休止するのは「無責任では?」という質問が話題を集めています。
そのニュースを見て、
僕は、「天皇陛下」が頭に浮かびました。
芸能人って、「公人」だから、あんなに注目されるわけですよね。
それで言うと、日本で究極の公人って、「天皇陛下」だと思います。
嵐なんかまだいい方で、彼らは、自ら望んで芸能界に入り、仕事も選べるし、なんなら引退もできる。
けど、天皇陛下は違う。
皇族に生まれることだって望んでもいないし、生まれた時から皇族として育てられ、そして将来の天皇として育てられ、一挙手一投足、周りから注目される。
今でいう、悠仁さまのようなものでしょうか。
そして、天皇に即位したら即位したで、
憲法に縛られて、自由に言いたいことも言えない。
内閣の言う通りに動くしかない。
さらに自分の意見も、聞いてすらもらえない。
そうした中で、遂に陛下の我慢の限界が来たのが、2016年8月の「おことば」じゃないでしょうか。
(参考 http://www.kunaicho.go.jp/page/okotoba/detail/12)
日本国憲法第1条には、
「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く」
と規定されています。
「象徴」とはなんでしょうか。
今上陛下にとっての「象徴」としてのお務めが、
国民とともに寄り添い、日本国中に旅をし、様々な人の声を聞かれることだったのでしょう。
その象徴としてのお務めは、体が元気じゃないと、とても務まるものではありません。
その時に問題になるのが、「終身在位」の規定。
皇室典範第4条などにより、基本的には今上陛下は亡くなるまで、天皇の地位に居続ける終身在位だとされています。
今上陛下とお務めは不可分なものだと思いますから、そのお務めが果たせないのに天皇としての地位に居続けるのは違うのではないか、と考えられたのだと思います。
そのために、宮内庁はじめ高齢での在位について、苦言を呈されてきたが講じられたのは公務を削減するというその場限りの策ばかりで、相手にされなかった。
その我慢の限界が、国民に直接訴えかけるという、おことばだったのだと思います。
ちなみに、言いたいことを言われているのは、今上陛下だけではありません。
秋篠宮殿下は昨年11月、今年5月に予定されている代替わりの大嘗祭の支出について、公費で支出すべきではないという考えを、会見で示されました。
(参考https://www.asahi.com/articles/ASLCQ44BQLCQUTIL01F.html)
宮内庁に伝えたが、宮内庁は聞く耳を持たず、残念だと述べられました。
殿下のおっしゃりたいことはよくわかりますし、
宮内庁しか窓口がないのに宮内庁が自分たちの気持ちを汲み取ってすらくれない現実は、想像以上に腹立たしいものだと思います。
さて、そうしたご発言には、皇室制度の限界が現れているのではないかと思います。
冒頭の嵐の話と近いのはこの部分です。
皇室制度は、皇族に対する大きな人権制限によって成り立っていると思います。
自分だったら、正直いやですよ。
生まれた直後からカメラに取られて、護衛もつくし、男に生まれたら、将来の天皇だと期待される。
家も自由に住めない。
自由なんてないじゃないですか。
念のため言っておくと、僕は皇室制度自体には賛成です。
皇室制度は人権を制限している面もあると思う一方で、皇室が今まで続いているからこそ、「日本」という国が一つであれたし、様々な局面でも乗り越えてこれたのだと思っています。
だから一国民としては皇室を存続させることに賛成です。
ただ、賛成だからこそ、もっと皇族の声に耳を傾けるべきだと思います。
今上陛下が国民に向けてビデオメッセージを発するに至るには、相当の不満があったのだろうと思います。
陛下の行為が憲法に抵触する諸刃の剣だということは、陛下自身が一番よくお分かりのはずです。※
(※:陛下がメッセージを出された直後、陛下のいわゆる「退位」(譲位)に対する国民世論が一気に盛り上がりました。
あれほど国民を動かす力を持っている存在が、天皇なのです。
天皇主権の政治または天皇の政治利用を防ぐためにも、憲法で天皇の権能を縛ることは民主主義の観点からは重要なことだと思います。
そういう意味で、今上陛下が自ら国民に語り掛け、国民を動かしたこのビデオメッセージは、諸刃の剣です)
それなのにあそこまでの行動に出られたのです。
陛下にあそこまでさせてはいけなかったのだと思います。
結局、退位の話も、一代限り。
皇位継承の話など、陛下が望まれるような、「根本的な解決」には繋がっていません。
今の時代は皇室批判もありますけど、皇室の方々の境遇、考え、声をもっと尊重すべき部分もあるのだと思います。
さて、冒頭の嵐の話に戻ります。
嵐の話も、今までの話と近いのかもしれません。
「引退するのは無責任では?」というのは、こちら側の論理でしかありません。
芸能人としてここまで頑張ってきた、
その中でなかなか言えない思いも隠して頑張ってきた嵐のメンバーを尊重しないといけないのだと思います。
今の時代は、窮屈です。
テレビでの失言など、芸能人は特に動向が注目され、ちょっとでも引っかかることを言うと、すぐ叩かれます。
だけど、そんな窮屈な時代だからこそ、「嵐の活動休止」は、勇気ある決断だし、多様な生き方について考えさえせられます。
でも、SMAPのように、限界が来て解散!という悲しい結末にならないでよかった・・・。
嵐のニュースを見て、こんなことを思いました。
珍しく速報っぽくやってみました。
※皇族の呼び名、敬称などがいまいち自信がないので、失礼がありましたら、ご容赦ください。