三男日記

愛知県蒲郡市出身、今東京におります三男です。日常や社会について思ったことを書いていこうと思います。基本、空論・評論です。自分の勉強も兼ねてやってます。

素人政治家は悪か。

若い者の発想で・・・」とは、よく言われる言葉です。

 

その心は、既成の価値観にとらわれない、フレッシュなアイデアを出してほしい!ということだと思います。

 

ということは、前提として、「大人」の発想が硬直化しがちである、という考え方があるのだと思います。

 

どんなことでも、自分が一種の「大人」になることはあると思います。

例えば、自分がある分野の知識を得て少し詳しくなったりすると、今までは見えていなかった複雑な事情、背景が見えてきて、

「ここをこうすれば変わるだろうか」と考えても、

「いや、ここはこういう事情だから変えられないんだ」と良くも悪くもできない理由がすぐ浮かんでしまい、飛び抜けた発想や視点が浮かびづらくなってしまいがちだと思います。

 

例えば米軍基地の辺野古移設問題もそうでしょう。

辺野古移設をやめればいい、という単純な話でもなく、グアムに移設すればいい、本土に移設すればいい、という話でもない。

知れば知るほど、普天間基地返還合意、沖縄内部の利権、日米安保の利権などが複雑に絡み合った問題だと気づきます。

 

話を戻します。

 

冒頭の「若者の発想」とは、

社会人となる前、またはなったばかりの若者は、社会の複雑な事情を捨象して物事を単純に見ることができるがゆえに、当たり前の価値観が当たり前じゃないからこそ、重宝される(少なくとも、持ち上げられてはいる)のでしょうか。

 

それでいう「若者」の意味するところは必ずしも年齢的な若者を意味しているわけではなく、いうなれば「素人」でしょうか

(そして冒頭の「大人」は「素人」の反対の意味として使っています。)

 

その分野に通じていないがゆえに、いい意味でも悪い意味でも、その分野内での当たり前の常識などを無視して考えることができる。

 

どんな分野のことでも、「素人」って大事だと思います。

もちろん、新しい発想が入ってくることで弊害はあるかもしれないけれど、それによって全体の考え方がアップデートされることはあると思います。

 

しかし、とりわけ「政治」の分野では、「素人」は好まれない傾向にあるように思います。

 

アメリカのトランプ大統領は、その典型でしょう。

政治の経験がないということで、就任当初、そして今も、従来の概念にとらわれない政策を展開するという点での「トランプリスク」を指摘する声が強いです。

 

しかし僕は、トランプのような「素人」はある意味では評価されるべきだと思います。

 

大概、トランプが素人だ!世の中をなにもわかってない!と言うのは、今まで政治を担ってきたワシントンのエリートたちです。

 

※エリートの定義の話をすると話が逸れてしまいそうですが、敢えてWikipediaの定義を借りれば、社会の中で優秀とされ指導的な役割を持つ人間や集団、としておきます。一流大学を出て、政府やシンクタンクなど政策形成に関与する人たちのことを指していると考えてもらっていいです

 

「なにも知らないくせに」と、既存の政策秩序を気にしないトランプを批判します。

 

ですが、既存のエリート層のそういう傲慢な姿勢こそが、「素人大統領」を政治に誕生させる原動力となったことは言うまでもありません。

 

トランプ政権になって行われたTPP離脱に関しても、エリートが当たり前のものとして国際協調の理想を追求しすぎた結果、重要性を国民全体に伝えられていなかっただけだと思いますし、米軍のシリア撤退、アフガン撤退なども、同様でしょう。

 

ただトランプがある程度支持されていることからもわかるように、

多くの人は、今までのエリートが当たり前とする発想についていけていないのだと思います。

エリートがやろうとすることに、なぜ自分たちが巻き込まれるのか、正直実感がわかない。

どうしてTPPに入らないといけないのか、どうして多大な予算を費やして米軍を海外に展開しないといけないのか。

 

それなのに、メディアもある意味での「ジャーナリズムエリート」で構成され、政治のエリートたちと同じレベル、同じ言語で話そうとします。

(最初ほとんどのメディアはトランプ反対でしたし)

 

だからこそ、国民と政治の距離が離れてしまった。

 

そう考えると、一般の人と同じ視点を持つ、当たり前が当たり前でない「素人政治家」は、政治を一般の人の手に取り戻すと言う意味においては、大切な存在なのではないでしょうか。

 

それがもし一歩進んで二歩下がる結果となったとしても、民主主義の成果ではあると思うのです。

 

トランプと金正恩の間で行われた米朝首脳会談も、外交を担ってきた国務省に任せていてはおそらく実現しなかったでしょう。「なぜ会えないのか。会うべきだろう」と当たり前の発想から可能になったのだと思います。

 

ただ、素人は素人にかまけていれば良いというわけではなく、政治家として責任を負う以上、素人たり続けてはいけないのはもちろんです。

あくまで、入り口としての素人発想は、肯定されてもよいのではないかということです。

 

日本でいうとすれば、民主党政権でしょうか。

鳩山由紀夫

 

彼は辺野古移設問題の今の迷走っぷりの引き金を引いた張本人ですが、ある意味では評価されるべきかと思います。

 

鳩山由紀夫という素人が政権の中枢に入ったことで、日米安全保障条約という聖域が露わになったからです。

 

日米安保マフィア」と、その中枢にある「日米合同委員会」。

 

https://shanti-phula.net/ja/social/blog/?p=120618

(日米合同委員会は、報道ステーションで特集されました)

 

※もし見れない場合は、「日米合同委員会 報道ステーション」で検索すると他のサイトで動画があるかと思います。

 

 

そう考えると、政治にも、素人は必要だと思います。

 

民主党政権は、日本の政治がアップデートされる上で、重要な節目だったのかもしれません。

(小選挙区制が導入されてから初の政権交代ですし)

 

 

素人はやはり大事ですね。

スポーツでも、「にわかのくせに」と素人を少し小ばかにする傾向がありますが、でも、いつの時代も新しい考え方を持ち込んだり、変革していこうとするのはアウトサイダーたる「素人」なのかもしれません。

 

というかそもそも、みんな最初は素人ですし。

 

自分もそういう意味では、何事にも素人発想を大切にして、謙虚に取り組んでいきたいと思います。

何事にも謙虚に、「素人」であることを誇りに思いつつ頑張っていきたい!ということで新年の抱負っぽくまとめて、2019年第1回目のブログとしようと思います。