三男日記

愛知県蒲郡市出身、今東京におります三男です。日常や社会について思ったことを書いていこうと思います。基本、空論・評論です。自分の勉強も兼ねてやってます。

わかりやすさ反対!!

先日、先輩の結婚式に呼んでいただき、石垣島に行ってきました。せっかく石垣まで行ったということでついでに白保海岸でシュノーケリングをしたんですね。

 

浅瀬で潜ってサンゴを楽しんでいたのですが、そのサンゴの中に、一本コンクリートの支柱が立っていました。

 

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僕はそれは灯台の一種かと思い、気にかけていませんでしたが、急にガイドさんが、「あれは、石垣の負の遺産です」と言い出しました。

 

聞くと10年くらい前に、サンゴの上に新石垣空港を建設する計画があったそうなんですね。行政側は断固として進めようとしていましたが、住民の反対運動によって計画は中止、その時の建設中断の名残で、コンクリートの杭だけがいまだに残っている、それが支柱の正体でした。

 

ガイドさん曰く、住民運動で計画を止めた唯一の事例だそうです。(確かに、成田空港も、ダムも、住民運動によっては止められていないか・・・)

 

ガイドさんは、こうもおっしゃいました。

 

もし空港ができていたら、皆さんが今ここできれいなサンゴときれいなカクレクマノミとは出会えてなかったかもしれませんね」と。

 

という話、どう思われますか?

 

モヤモヤするんですよね。

 

ガイドさんの言ってることも一理あるけれど、中止にしたからと言ってそれが良かったかはわかりません。正直。

 

どちらかが絶対正義、ということが存在しないからこそ、こういう問題って難しいなと思います。

 

環境を守って、ここにしかないものを守るんだ!ということは大事なことです。

だけどそれでメシが食えるのか?と考えると、経済活動の方を優先して人を養っていといけない場合もあるわけで。とはいえ、費用対効果だけですべてを見ることも間違っているなあと思いますし。

 

それでいうとよく話題になるテーマでは、「米軍普天間基地移設」がありますが、やっぱり超ド級にプレイヤーが多すぎることがあんなに泥沼化させているような。

 

大学生時代に沖縄に行っていろんな方にお話を伺いましたが、辺野古の美しい海を埋め立てるということで環境は守らないといけない一方で、地元の土建業の人は仕事が欲しいからできるだけ埋め立てエリアが大きい方がよかったりするから海を埋め立てたいと考えていたり。

 

そういったせめぎあいが、今のごたごたにつながっているんだろうなと。

 

(さらに名護市と名護市辺野古地区の分断、普天間を早く閉じて欲しいと言いにくい宜野湾市の葛藤、交付金が欲しい沖縄県防衛省、外務省、首相官邸、米空軍、米海兵隊、、、などめちゃくちゃ複雑な連立○○次方程式が横たわっています・・・)

 

参考:

「普天間」交渉秘録 (新潮文庫) | 守屋 武昌 |本 | 通販 | Amazon

普天間・辺野古 歪められた二〇年 (集英社新書) | 宮城 大蔵, 渡辺 豪 |本 | 通販 | Amazon

沖縄の不都合な真実 (新潮新書) | 潤, 大久保, 章, 篠原 |本 | 通販 | Amazon

 

 

それでいうと、今の世の中は「わかりやすさ」が跋扈しすぎている気がします。

 

ナショナリズム的な二項対立」や

何日間で見につく教養!」とかもそうですし、

はたまた「おまえは何のために生きるのか?」「何のために働くのか?」「何をしている人ですか?」といった「自分が存在する意味」なんか求められたりして。。。

 

やっぱり一言でドーン!って伝えられた方が、耳障りは最高です。

 

でも、そのわかりやすさによって切り捨てられてしまうものもあるはずで。

 

うまく言い表せないような、いわば”わかりやすくない””なんだかわけがわからない”ことの方が実は大事なんじゃないかな、という気もします。

 

っていう、石垣島でモヤモヤした話でした。