三男日記

愛知県蒲郡市出身、今東京におります三男です。日常や社会について思ったことを書いていこうと思います。基本、空論・評論です。自分の勉強も兼ねてやってます。

巨大な総務省

昨日のニュースでは、しれーっと幕引きが図られていましたが、、、


総務省接待問題です。


https://www.asahi.com/sp/articles/ASP5S5VQHP5RULFA00C.html


調査の結果、東北新社とは、合計54件の会食があったことが認定されました。

 


ただ、この件が氷山の一角であることは明らかだと思います。

 

この件をめぐり辞職した谷脇元総務審議官は、当初「東北新社以外からは違法な接待を受けていない」と回答していましたが、NTTによる接待が最終的に発覚しました。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/89450

 

 

この件、20世紀末の大蔵省接待事件(ノーパンしゃぶしゃぶ事件)では、最終的に大蔵省改革の議論につながりましたが、今回はあまり盛り上がらなかったようです。

 

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/大蔵省接待汚職事件


一説には、大蔵省接待の場合は、癒着して規制を骨抜きにしていたという大きな課題があった一方で、そもそも総務省は通信料値下げなど、国民側に損な政策をしていなかったから、という視点もあるようです。

参考:https://diamond.jp/articles/-/265924

 


ただ、世論が盛り上がらなかった(=世論に火をつけられなかった)理由としては、

やはり放送業界と総務省の癒着が1番大きいのではないかな

と思います。

 


マスメディアとズブズブなんですね。電波の放送免許をめぐって、放送局も新聞社も、総務省とズブズブ。


https://biz-journal.jp/2021/03/post_213651.html

 

 

だから、強く書けないんだと思います。

 

見事なダブルスタンダードでは。。。

 

 

と言う前置きはさておき、

僕は、この件、本来であれば、この接待事件を奇貨にして、総務省解体まで踏み込むべきなんじゃないかなと思っています。

 


総務省はそもそも、地方自治を担う旧自治省系と、通信行政を担う旧郵政省系、行政評価を担う旧総務庁系の3つが混在しているコングロマリット省庁です。


今思えば意味わからんのですが、

採用の時も、「総務省」採用ではなく、「総務省自治系」と「総務省通信系」などに分かれており、全く別で採用されていました。

 

同じ省なのに!


事実、総務省の同級生に聞いた話ですが、総務省内ではお互いのコースの人とは人事が全く別。そのうえ、人事交流が少なく、あるとしても、お互いがお互いの部局にポストを持っている、だけに過ぎないそうです。

(自治系が郵政系の課長補佐ポストを2つ持っている、みたいな話)

 


確かに、総務省の幹部一覧見たら、ややこしい。笑

https://www.soumu.go.jp/main_content/000742529.pdf

 


まずそもそも谷脇元総務審議官が総務省のナンバー2、と評されていたことも、本来大臣の下のナンバー2である事務次官がいることを考えるとおかしいのですが、その総務事務次官の下に、ナンバー2の総務審議官が3人もいる!!

 


これは、自治系、通信系、行政系の3つのコースでそれぞれ次官級の総務審議官がいて、その上に、総務事務次官がいる、という構造になっていることを意味します。

 


現在の事務次官は、自治系。

(ポストは3つの人でたらい回しにしていますが、規模的に自治と郵政が多いです)

 


だから、本来であれば官僚のトップは事務次官なのに、今回の問題では事務次官は全く出ず、谷脇元総務審議官以下、郵政系の人が処分されています。

 


ガバナンスとして、総務省はバラバラっちゃバラバラなんですね。ケルベロスみたいな構造。

(それぞれのコースごとでは統制は取れているのかもしれませんが、そんな話はまた別。総務省としての統制は取れていないのだと思います)

 


国会答弁では原邦彰総務省大臣官房長が矢面にた出されていますが、原官房長は自治系なので、わからない部分も、実態としては多いはずです。。。

 

 

 

今回、総務省の中でも通信部分だけにめちゃくちゃ着目されていましたが、そもそも総務省の組織としての異常さにも、もっと着目されるべきなんじゃないかなと思います。

 

どう考えても巨大すぎる。


癒着はもちろんダメですが、省として適正な規模で、適正な人事体系がないと、省としてガバナンスが効かせづらいと思います。

 

(大臣1人で3つの領域を見るのには限界があって、否応なく総務審議官を頂点とする官僚が力を持ってしまう構造になりかねません。)

 

 

接待問題の原因がガバナンスの欠陥とまでは言えないと思います。

 

ただ、総務省の巨大さとそれによる政治による管理の行き届きにくさは確実にあるはずなので、まずは総務省を解体して、別々の省庁にすべきだと思います。