三男日記

愛知県蒲郡市出身、今東京におります三男です。日常や社会について思ったことを書いていこうと思います。基本、空論・評論です。自分の勉強も兼ねてやってます。

何でもあるけど何にもない。

 

 

日本全国、観光地は沢山あると思います。どの観光地も、一長一短あり、何がなくて逆に何があるのか、それぞれの強みといえる部分があると思います。

 

例えば、

箱根。

言わずもがな、温泉に圧倒的な強みがありますよね。でも山だから、海とは遠くて、山からの景色はそこまで望めない。

 

例えば、

福岡。大都市ですが、福岡の海でとれた魚は美味しいですよね。

沖縄。海きれいだなあ~~~。

江の島。江ノ電に乗って、海を見て、そして鎌倉には山もある。

 

場所ではないけれど、やっぱ、水族館とか、遊園地とかも行きたいですよね。

 

 

全国いろんな観光地・施設があり、それぞれに強みがある。

 

 

温泉。魚。海。景勝地。ローカル線。山。自然。水族館。遊園地。

 

 

色んな要素があります。

 

 

実は、、、

これらのポイント、うちの地元には全部あるんです!!

(さらに!みかんやイチゴも有名です!)

 

つまり、うちの地元には、何でもあるんです。

 

でも、うちの地元には何にもないんです。

 

今回はそんな話をします。

 

 

私の地元は、「愛知県蒲郡市」(がまごおり)という、人口8万人くらいの小さな街です。

 

場所は、カンガルーで例えられる愛知県の、手と足に挟まれた、ちょうど真ん中らへんとでも言いましょうか。

豊橋、の西に位置する小さな街です。

 

「観光交流立市」を掲げ、観光に力を入れています。

 

東京エリアの方はあまり知らないと思います。

この街、県内観光地とでもいえるような街で、市外からの観光客のほとんどは、近隣の東海三県(愛知・岐阜・三重)から来ているというデータを聞いたことがあります。

 

さて、蒲郡には何があるのか。

 

まずは温泉

市内4か所には「温泉」があり、蒲郡温泉、形原温泉、西浦温泉、三谷温泉といろんな場所で温泉を楽しめます。

 

深海魚が有名で、深海魚を取れる漁船が、県内で蒲郡ともう一つの街にしかいない、と聞いたことがあります。メヒカリなどはかなり美味しいです。

 

景勝地

竹島」です。

小さい頃、「竹島が韓国と領土権争いで議論」というニュースを見て、驚いた記憶があります。その竹島じゃない方の竹島です。

橋で陸地と繋がっている島で、その景色を望める位置にかの有名なプリンスホテルも建てられています。(今はクラシックホテルと改称)

 

ローカル線

名鉄蒲郡線といいます。東海道本線蒲郡駅から、形原温泉、西浦温泉地区を通りつつ、海沿いに(お茶で有名な)西尾方面まで走る、ローカル線です。途中海沿いを走りますが、三河江ノ電といえるほど景色はきれいです!

 

自然

蒲郡は山に囲まれ、みかん、イチゴといったフルーツも美味しいです。

 

水族館

竹島水族館。かつては閉館寸前と言われていましたが、今や大人気。触れるプールや、学芸員の人となりがわかる独創的な展示で、人気を博しています。そして何より値段の安さ。コスパがいいです。

 

そして遊園地

ラグーナテンボスです。ハウステンボスを運営するHIS資本が入り、今変化を遂げています。プロジェクションマッピング、変なホテルなど、どんどん進化しています。ショッピングモールも、温泉、スパ施設もあります。

 

 

と長々と挙げてしまいましたが、

結論は、、、蒲郡には何でもあるんです。観光地と言われる街にあるもの、大体あります!

 

でも、冒頭に言った通り、蒲郡には何にもないんです。

 

どういうことか。

 

 

この街って、何でもあるがゆえに、何にもなれていない、中途半端な街なんです。

 

どの要素も押しきれていないし、かといってどの要素も突き抜け切れていない。

 

温泉。箱根、下呂、別府といった、火山のふもとの本物の温泉地にはかないません。

景勝地も、松島や天橋立、富士山、上高地などにはかないません。

フルーツも、みかんは「蒲郡みかん」として打ち出していますが、紀州、伊予にはかないません。

 

どれも、頑張ってはいるけれど、トップにはなれないものばかりです。

しかも、イケそうな要素を全て「おすすめ」として押し出してるだけだから、

結局どれも見栄えがしない。パッとしない。

 

いわば、「観光交流立市」というマジックワードに覆われてしまっているとでもいえそうです。

 

 

バブルで団体旅行需要があった時代はそれでもよかったかもしれません。

 

ですが、簡単に世界に出ることができ、個人が個人として発信し、価値観が多様化してきた時代、中途半端だけど何でもある街より、何か欠けてるけれど何かがずば抜けてる街の方が、行ってみたいし、見てみたいと思います。僕もそう思います。

 

人としてもそうですよね。

何でも中途半端にそこそここなせる人より、何かできないけれど、何かは突出してできる人の方が、面白いし、魅力的ですよね。

 

まさに、蒲郡が抱えている課題は、今の時代の個人個人が抱えている悩みと一緒なのかもしれません。

 

そう考えた時、蒲郡が観光の街として外の人に気づいてもらうための方向性としては、大きく2つあるのではないでしょうか。

1つ目は、蒲郡の売り出していくコンセプトをしっかりと定義し、ターゲットを明確化する。

2つ目は、あらゆる要素全てでトップを狙う。

 

限られた資源を考えるならば、僕は前者派です。

 

もっと、これぞ!というものを前面に出して、戦っていったらいいと思います。

 

そういえば、竹島水族館もそうです。竹島水族館は、トップにはなれないけれど、手作り感があって、コスパのいい水族館として大人気です。

 

 

僕は、蒲郡も、「なんか中途半端だけど、コスパのいい街」として、もっとターゲットを明確にしていくのも1つ、ありだと思います。いわば、中途半端のプロ。

 

ただ、既存のアクターが沢山いる中で、現実問題として様々な困難があるのではないかとは思いますが、犠牲のない進化はありえないと思います。

 

街として余裕のある今だからこそ、やってみる価値はあると思います。

 

将来そういう仕事にも関わってみたいな、と思ったりもします。

 

 

蒲郡は、何でもあるけど、何でもない街、そんなことを考えています。